火山の噴火は予知できるのか

2022年7月24日の午後9時前

鹿児島県の桜島が噴火、最初の速報から10分程度で噴火警戒レベル5(避難)に引き上げられ、周辺3km程度の住民に避難が勧告されました


噴火の警戒レベルが設定されてから現在までに桜島がレベル5まで上がるのは初めてのことで、(ある意味で)いつも火山と隣り合わせで生活されている住人の皆様も今後の動向に注視しているはずでしょう


まずは身に安全を確保なさってください


そもそも活発化していた桜島


気象庁の皆様とマスコミ各社様にお願い!

『もっと分かりやすく!もっと危機感を持って伝えてほしい』


気象庁のHPを見ると6月27日から7月24日までの火山性地震は53回


直近のデータから見ると

  • 7月18日から山体膨張を示すわずかな地殻変動を観測している
  • 7月23日に火口縁上1200mまで噴煙が上がるも山体膨張は収まらず

(気象庁HPより抜粋)この山体膨張が一度に解消されるような噴火が発生すると、多量の噴煙を 伴った噴火や、やや規模の大きな爆発が発生する可能性があります。今後の 情報に留意してください。



それまで4日おきの更新だった解説情報が18日を境に【毎日】になっていました


NHK鹿児島局で発信されている降灰情報、風向き等の気象条件を計算に入れておよそ3時間先までの情報を更新しています

噴火が起きる直前の降灰情報でも山体崩壊のことは明言されていません(〇〇時に噴火した場合は〇〇とは書いてありますが、規模を示すものや避難については全て噴火後の対応)


2009年から入山規制がかかっている桜島、余程興味があったりする人以外は気象庁のHPを確認する人はいないはずです


毎日更新になっているってことは噴火の可能性は示唆できたはずですよね?


もし今回の予測ができていたとしたら?(後述していますが、個人的には予測はできていたと思います)


メディアの偏った伝え方を精査し、必要な情報をもっと前に出して伝えてほしいと切に願うものです


とにかく、ご近隣の方はまず逃げてください!

大したことなくて後から笑い話になれば御の字です!



どうしても気になる富士山の噴火



筆者の幼少時の常識では

『富士山は休火山、最後の噴火は300年前(宝永大噴火)でもう噴火はしない』という印象で習った覚えがあります


ですがこの常識、東日本大震災の後では書き変わっています


最もそれ以前も専門家の間で研究は続けられていて『過去に習った時点よりもデータが集まった』のかもしれません


M9.0もの破壊力で日本を襲った3.11

その後10年以上経過した今でも各地で地震が頻繁に起こっているのは、その影響を受けているのは言うまでもない事実です

ひと口メモ

東日本大震災後の各地の地震


東日本大震災以前の日本列島は東西から【押しこまれる】力がかかっていました。

陸のプレートの下に海のプレートが沈み込む力で押し込まれていて、3.11に固着域が海側の圧力に耐えられず破壊され大地震を起こす結果となりました。


その後、大きな力がかかっていた陸のプレートは海側に【引き戻される】ように力のかかる方向が変わります。(実際に計算上では日本の陸地面積は0.9平方キロメートルほど伸びたそうです)


今まで押される力がかかっていた各地の活断層が緩むことによりズレが起こります。

3.11以降『地震の活発期』に入ってしまった原因のひとつです。


(鎌田浩毅氏・生き抜くための地震学より知識をお借りしてます)


火山のメカニズムも地震学とリンクするところが多く、『起きるかもしれない富士山噴火』も説明ができます


富士山を含む火山は、言うなれば【マグマの出口】になっています

火山のさらに下、地中深くにマグマ溜まりがあり①四方から圧力がかかったり②さらにマグマが供給されたり③マグマ中の水分が飽和したり、と条件が重なった時に噴火します


大きな力で日本全体が揺らされてしまったことでマグマに変化が起こり各地の火山で噴火の可能性が高まると言われているのです(どの程度高まるかは不明です)



富士山の噴火はある程度予測できる


『いつ起こる』『〇月〇日に噴火する』

という予測は不可能でもデータを読み解くことで

『噴火の可能性がある』もしくは『1ヶ月以内に噴火の可能性がある』


鎌田氏いわく、地球科学者の中では富士山は100%噴火すると言われている中でここまでの予測は可能、と明言しています


科学者・専門家が予測に

  1. 低周波地震
  2. 火山性微動
  3. 山体膨張


この3つを使って事象に備えています


①低周波地震のデータ


富士山噴火の前兆として最初に起こるのが低周波地震

地下20m付近のマグマだまりの上で人体に感じられないほどの微弱な地震が起きます

マグマの上昇とともに地震の起こる場所の深さが浅くなるのも特徴でその日までのカウントが始まります

※上昇が進むにつれ有感地震も多発


②火山性微動のデータ


さらに噴火が近づくと山全体を揺らす火山性微動が多発、細かい揺れが頻繁に起きます

マグマが地表から噴出する間近の状態で『噴火待ったなし』

この頃には近隣住民の避難はもちろん、我々も噴火に備えた準備が必要になります




この2つのデータに山体膨張を加えて富士山噴火の予測をしています


いざ『噴火の可能性がある』となった時にたった1ヶ月で準備が間に合うかは疑問が残ります

きっとTVでは毎日のように不安だけを煽り、準備に必要な情報はかすんでしまうでしょう

噴火の規模や風向きによっては首都圏まで火山灰が飛んできて交通インフラに影響を与えることも考えられます


その日が来る前にせめて心構えだけは持っておけば安心できるでしょう



まとめ



300年の沈黙を守っている富士山、もし噴火してしまったらものすごいエネルギーの放出を覚悟しなくてはならないかもしれません

もしかしたらマグマが駿河湾まで到達する可能性も、富士山そのものが山体崩壊を起こす可能性も捨てきれないというデータもあります

『富士山が100%噴火する』なんてことが全くのデマで笑い話になれば1番ですが、色々な書籍を見る限りではどうやら見過ごすことはできない事実になりそうです


備えあれば憂なし

どうか皆さんと皆さんの大切な人が無事でありますように!



この記事を書いている間にも桜島の噴火は止まず、また噴火後も山体膨張は収まらないようで注意が必要とのこと!

今後の動向に注視して、どうか命を守る行動に専念してください!


皆様の安全と1日も早い収束を願っています