防災のための備蓄を考える

必ず来てしまうであろう災害のために、実際に何を揃えれば良いのかを考えてます


先ず良く誤解されやすい大前提があります

  • 非常用持ち出し袋
  • 宅内の備蓄


この2つ

どちらかだけ有れば良いという訳ではない、と考えましょう


【非常用持ち出し袋】は有事の際に持って逃げるもの

【宅内の備蓄】は被災後の生活を過ごすためのもの


このように分けて用意しておけば発災時に対応することが可能となります


『家が倒れたりして無駄になるのでは?』と思われる方も非常に多いと聞きますが、有事の際に被災者全員が収容できるとは限りません

また、交通インフラが滞り救援物資が届かないことも想定できます


自宅が半壊・全壊してしまったとしても水や食料が無事であれば助かるはず


私なら安全に留意して確保します、逆に確保しない理由が見当たりません

防災のための備蓄・非常用持ち出し袋



  • 飲料水(2L〜)※
  • 非常食(3食分以上)※
  • 口腔ケアができるもの(洗浄液やウエットシート)
  • アルミシートや雨具(傘はできるだけ避ける)
  • ランタン・ヘッドライト
  • スリッパ
  • 非常用トイレとトイレットペーパー
  • 下着、靴下(3日分程度)
  • お箸など
  • 印鑑・身分証明書・通帳(コピーでも)
  • 耳栓
  • マスク
  • 長袖・長ズボン※
  • モバイルバッテリー・携帯ラジオなど
  • メガネ、薬、車の鍵など
  • 現金


リストにしてみると結構ありますが、この量で最低限の1人分です

注意したいのは足りないと思って荷物が重たくなりすぎること

逃げ遅れては本末転倒です


またその人によっても必要なものは変わってきます(男性、女性、乳幼児、持病のある方など)

想像力を働かせて準備しておくことが大切です


この記事では重要と思われるポイント(※印)に絞って解説します



リュックサック

リュックサックを非常用に使うには意味があります

逃げる際に

①両手が自由に使える②転倒してしまった時に背中が守れる③手で持つよりも重さを感じづらい

また用意するのであれば反射板付きを選ぶと良いでしょう


飲料水と非常食

荷物の中で一番重たいものが飲料水です

チェックシートには2L〜と表記してありますが大きいものを1本用意するよりは

1Lを1本と500mlを2本=2L分

のように小分けにすると便利です


移動が長くなったり疲れてくると重いものを持ち上げるのが億劫になってきます

小分けにした方が【カサ】は増えますが重宝すると考えます

※全てを小さくするのはオススメしません、被災後の給水時は大きい容器も必要です



次に非常食の用意


現在では長期保存も可能で軽量の【アルファ化米】というものがあります

最大のメリットはお湯を使わずに調理ができるので水だけあれば食事ができるということ

お湯の確保が難しい状況下では本当に重宝します



他にもこんなものがあります


サクマ式ドロップスは言わずと知れたドロップです



【保存期間5年】と買いてあります

ですが【開封後はお早めにお召し上がりください】とは書いていません

メーカーさんに問い合わせたところ


『基本的に砂糖が主成分となっております。保管状態によりますが開封後もお召し上がり頂くことは可能です。但し時間が経つと風味などは損なわれることがありますので、なるべくキッチリと栓をしてください』


歴史のあるメーカーさんの素晴らしい回答でした

非常用持ち出し袋に早速入れておきました



こちらはレーションと言われる救難食料(萬有栄養株式会社)

ひとつ56gのビスケットバーが3個入って864円


ひとつあたりのカロリーは274gと驚きのハイカロリーバー


軽量で持ち運びにも重宝、しかも経済的で長期保存可能(製造日から5年半)

真空パック商品なので箱に入れてカバンに入れました


長袖・長ズボン



自宅に帰ることが難しく避難所での生活を余儀なくされた場合に着替えが必要となります

その避難所では色々な人が集まって共同生活をしなくてはなりません


最近はようやく認知されてきたことですが、避難所生活で心が荒んだ人が悪いことを考え始めるようになります



おとな・こども共に男女に関わらず、派手目の色は避けて用意しましょう

そして肌の露出を避ける長袖を用意しましょう


そこは普通の常識的な人も精神的に追い込まれてしまう状況下かもしれません


何かする時はひとりで行動せず仲間と動く!合わせて心がけておきましょう



防災のための備蓄・自宅内



  • 長期保存が可能な飲料水(1人1日2Lを目安に)※
  • 生活用水※
  • 非常食※
  • 非常用のトイレ※
  • 身体拭き用のウェットシート
  • ラジオ
  • ヘッドライト
  • ランタン(火災予防のためロウソクは避ける)
  • カセットコンロ&ガス缶※
  • クーラーBOXと保冷剤※
  • 電池
  • モバイルバッテリー(電池で使えるもの)
  • 救急セット


発災後に自宅で生活することを想定して宅内備蓄BOXを用意しておきましょう

普段の買い置きがある家庭では食事に困ることはありません!なんて思っていませんか?


生活インフラが全滅する可能性は否めません

戸建、マンションの関わらず普段通りには生活できないことを想定して準備しておくことが重要です


持ち出し袋と同様にポイント(※印)を抜粋して解説します



飲料水・生活用水について



例えば自宅の周りの道路に張り巡らされている水道管、いつぐらいに埋設されたものかご存じですか?

大きな揺れがきた時にその水道管が破裂するのは想像に難しくないでしょう

もし奇跡的に破裂を起こさずに残っていたとしても、街の電気が止まってしまえば水を送ることが難しくなります

災害の規模にもよりますが復旧には相当の時間がかかり、地域防災拠点にくる給水車を期待しなくてはなりません


飲み水は最低限7日分、その他に生活用水の用意が絶対に必要です


救助が遅れたら?やっときた救助の物資が足りなかったら?

筆者の家では1ヶ月分の準備をしてあります

絶対数が足りなければ一人一人の努力で埋められるように考えています


マンション暮らしの筆者は生活用水については空いたペットボトルに水を入れて保管、腐る前に流して注ぐの繰り返すことで対策中

お庭がある方は【雨水タンク】を置いている方もたくさん居らっしゃいます

普段はお庭の花にあげる散水用に重宝しているそうです


非常食とクーラーボックス


発災時に必ずと言っていいほど滞る生活インフラ

電気も当然のように止まる可能性はあります(送電線の断線や安全のため止めていることも考えられます)


停電すると最初に冷蔵庫の中身がダメになってしまいます

ただこの時にやってはいけないのが

焦って何度も扉を開けてしまうことです

ご存知の通りで冷蔵庫は開閉を繰り返すたびに蓄えてある冷気を逃してしまいます

中に保存してある食材の消費期限をどんどん短くしてしまいます


発災後は可能な限り賞味期限の近いもの=冷蔵庫の中身を最初に消費する


家庭の差はあるかもしれませんが冷蔵庫の中身だけで1日目は凌げるかもしれません

これで過度に高価な長期保存用防災食を買わなくてもすみますね


クーラーBOXと保冷剤は上手に活用します

傷みやすい精肉・卵・魚が最優先、野菜は後回しで良いかと思います

保冷剤が心許ない場合、用意できないときは冷凍食品も代用可能ですが解凍が一気に進むため食べるのが大変になります

上手に活用しましょう



安い時に買っておいた乾麺(パスタ、うどん、そば、そうめんなど)やカップラーメンも強い味方になるでしょう

ただこちらはお湯が沸かせないと食べられません

カセットコンロとガス缶の備蓄が重要となります


知恵を絞れば普段から家にあるもので1週間くらいは食べることに困らない場合もありますね


最低限の水と火が備蓄が出来ていての話にはなりますが…


カセットコンロとガス缶(CD缶)



趣味でも使っているガス缶(CD缶)です

1家庭あたり10本〜15本程度のストックが必要とされています

但しガス缶も使用期限が設けられています

食品と同様に使いながら買い足していく必要があります


アルファ化米の食事は水でも作ることが可能ですが、温かいものを口にするだけで安心感が生まれることもあります

もし発災が寒い日であれば命に関わることも!

生では食べられない冷蔵庫の中身も火を通すことで非常食に出来るでしょう


カセットコンロを使用の際は火の元に充分に注意を怠らず二次災害防止に留意してください


非常用トイレ

飲み水を供給してくれる【上水】に加えて【下水】も使えなくなることも想定しなくてはなりません

人間も動物、生きている以上は排泄しなくていけないのです


被災後ほどそこかしこでやって良いわけではなく、一定の秩序が保たれなければ感染症等のリスクが高まります


『自分の家だから袋に入れておけばいいや』と考える方もいるでしょう


でもそれは今、安全で何も起きていないから!と断言しておきます

もし被災して自分の家に帰ることが出来たとします

家に帰るまでに様々な出来事を見たその上で、自分の家が安全に過ごせるとしたら?

安全マージンを得るために絶対に自分の家は汚したくないはずです!人間だから仕方ありません!


そのためにもどうか非常用トイレの備蓄は怠らずに!

普段からトイレットペーパーも多めにストックしておきましょう




まとめ

最後までお読みいただきありがとうございました

解説させていただいた項目以外のものも最低限の備蓄品となります


必要なものを平時の内から想定し、非常用持ち出し袋or自宅内備蓄BOXに振り分けておくことで生存率が上がると考えましょう


災害は起こらないのが1番で平和が1番に決まっています

執拗に不安を煽る気もありませんが、起こってしまってからでは後悔します


備えあれば憂いなし

どうか皆さんが無事でありますように願います