谷川岳の夏は午後からの天気に気をつけよう!初心者でも登れる日帰り日本百名山

この記事は以下の人に向けて書きました
  • 谷川岳に挑戦したい初心者ハイカーさん
  • 谷川岳の初心者コースはどんな感じ?
  • 夏の谷川岳の注意点を事前に知っておきたい方
  • お昼ご飯とお弁当はどこで?


本来であれば『山の日』に行くはずだった谷川岳

ウェザーニュースの予報とお盆休みの渋滞予想を考えて前日にアタックしました


趣味で始めた初心者の筆者でも楽しむことができる山でした!


ですが谷川岳(に限らず夏山)は午後からの天気に注意が必要

『ゲリラ豪雨』に匹敵するほどの大雨に遭遇することも考えておきましょう



谷川岳の夏は天気に注意



1枚目が08:00の天神平

2枚目が12:00前の山頂(オキの耳からトマの耳を撮影)


前日の天気予報では『お昼前後から1mm程度の雨』となっていましたが眺望を完全に見失ってしまいました


夏の谷川岳は特に天気が変わりやすく午後から雨が降ります


近年の夏の天気傾向を見ていると関東地方の山沿いは『ほぼ』毎日が不安定と予報され、埼玉県山間部から群馬県のどこかで毎日のように降雨があり

夕立レベルの雨量では済まず、降れば雷雨・スコールのような降り方で『昨晩の気温が下がらずに湿気がまとまってくる午後から夕方』にかけて登山者に襲い掛かります


下山後に天気予報を確認すると1mmの予報が実際には8mm降ったと書いてありました


結果的に前線が南に下降してくるはずの翌日(山の日)の方が晴れているようで、記事を書いている今は天気に恵まれている様子(羨ましい)

山の天気は変わりやすいとはよく言ったもので、昔よりも天気予報の精度が格段に上がった現在でも外れるときは外れます

今回は降られる『準備』をして山行に向かったので覚悟していました

筆者の登っていた時間帯は風も雷も重ならなかったので、この程度で済んでよかったと安堵しています


秋にリベンジを決意して無事に下山できたことに感謝しました



谷川岳・初心者ハイカー向けのコース



初心者さん・初アタック勢の注意点

  • コースバリエーションは余りありません
  • 必ずロープウエイで天神平まで行きましょう
  • 山頂は小じんまりしてます(混雑時は場所の取り合い発生)
  • 小じんまりの山頂ではお弁当がベストです
  • 登山中のトイレは肩の小屋の1ヶ所だけです※5月から11月のみ




谷川岳ベースプラザからロープウエイで天神平駅まで一気に上がりましょう

物足りない?と思われる初心者ハイカーさんもいると思いますが、谷川岳は想像よりも登りごたえがあります(ロープウエイを使わない場合は眺望のない2.5時間の急登が必要)


安全に楽しんで安全に帰る初心者ハイカーさんにはちょうど良いコース取りになってます


谷川岳ロープウエイ

後で雨に濡れてくちゃくちゃになる往復チケット

営業時間:4月から11月は8:00~17:00(土日祝日は7:00~)12月から3月は8:30~16:30

種別個人15名〜50名/1名あたり51名〜100名/1名あたり101以上名/1名あたり
片道大人1250円1200円1150円1100円
小学生630円600円570円540円
往復大人2100円2000円1900円1800円
小学生1050円1000円950円900円


※モンベル会員・JAF会員の方は会員証提示で割引あり

※ペット同伴も可(片道320円・往復520円)


谷川岳ベースプラザ駐車場(500円/1日・冬季の土日祝は1000円)

ロープウエイ営業開始前に到着場合はメモと小銭を用意しておきましょう(所定料金ボックスに入れる)


※帰る時に確認されます


谷川岳ロープウエイ・土合口駅から天神平駅


発券開始の30分前にはてケット売り場が混雑していました

雨予報のためみなさん早めの行動ですね


夏休みということもありますがこの日は平日、余裕を持って到着しておきましょう!


ゴンドラは3分おきに輸送してくれますがコチラも余裕を持って!



天神平の風景と目指す山頂


奥に見える山頂

本日のゴールはあの頂です


写真で見るとものすごく遠くに感じます

実際にも遠いです(3km程度)


でもご安心を!

途中の避難小屋からトマの耳(ひとつ目の山頂)まではほとんどが急登で直登

それに加えてロープ・鎖場が6ヶ所もあるので標高が一気に稼げます!


登り始めたら一気に山頂ですよ!



奥に見える天神平スキー場のゲレンデ

えっ!?って思うくらい急勾配に見えました(私には無理)


筆者が被っている『足軽』のような、なんとも怪しい三角帽

ダッサいと呼ばれるコレ!後で思いっきり役に立ちました

モンベルのクラッシャブルアンブレロが登山帽で最強すぎる件



熊穴沢避難小屋まで


最初の避難小屋までは緩やかなアップダウンと木道が続きます(おおよそ60分)

ぬかるんでいる箇所や谷川に向かって斜めの箇所も多いですがよく整備されていて歩きやすいです



最初の鎖場

右側に滑落しないように設置されています

写真の奥まで鎖が続いていてゆっくり登ります


この区間はこの先に始まる直登に向けての準備運動にはちょうどいい行程です

避難小屋に到着したらシッカリと休憩しておきましょう(小屋内にベンチあり・トイレなし)



熊穴沢避難小屋から天狗の溜り場まで(最大難所?)


避難小屋で充分に休憩をとって進んで行きます


熊穴沢避難小屋から天狗の溜ま場までは『ロープ・鎖場』が集中しています

さらに注意が必要なのが『ロープ・鎖』がない岩場を進まなくてはならないことです


不慣れな初心者ハイカーさん(筆者を含む)はトレッキングポールが役に立たず、逆に邪魔になるほどの岩場が連続します

鎖を掴んで登ることを考えたら『ポールよりも登山グローブ』の方が重宝します


無理にポールに頼り変に力を使うよりは両手で岩場を掴んだ方が安全です

この区間で谷川岳はナメてかかるとケガする山だと確信しました


時折、眺望を楽しみながら写真撮影



鎖場と鎖のない岩場を四苦八苦しながら登るとようやく見えてくる天狗の溜り場(ここまで50分程度)

下からは見えづらいですが右側に沿って進むと登り口があります


天狗の溜り場からの景色

まだ降り出していませんでしたが雲が目立ちます


山頂まではさらに60分ほどあるのでひと息入れてから行きましょう


この先はこの区間よりもグッと楽しんで登ることができますよ!

天狗の溜り場から肩の小屋


天狗の溜り場でひと息入れたらラストスパートに入ります(60分程度)


『急登ではない』とは言い切れませんが、ここまでに登ってきた小屋から溜り場までに比べると随分と楽チンな工程となります

写真右上に見える頂が『肩の小屋』

このコース唯一の山小屋でトイレもそこまで我慢ですっ


ガレた階段がメインの行程、勾配はそこそこです


これは帰りの話ですが…


山頂で降った雨が登山道に流れてきてました

文字通りの『土砂降り』で木でできている階段もジャブジャブ、滝のように雨水が流れていました


ここまで戻ってくる頃には雨も小康状態になりましたが、帰路を進む我々の足元をさんざんに虐めます

木道が滑るだけでなく『鎖場の恐怖・下り』が〇〇増しに…


ただこれもひとつの考え方で『滑ることがわかっているからより安全に慎重に進もう』という意識が高まり無事に帰ることができました


登山って全部プラスになりますね(そりゃあ本音は晴れてて欲しかったですよw)




左前方に見えてくるのが『肩の小屋』

ひと息つくのにちょうどいい山小屋で皆さん腰を下ろして休んでいます(トイレもあります)


この日は若干混み合っていたことに加え、今にも降りそうな気配を感じたのでそのまま山頂に向かいました



肩の小屋から山頂『トマの耳・オキの耳』



ここから10分程度でひとつ目の山頂『トマの耳』に向かいます

先を歩く先輩たちの足取りも軽いようで皆さんスタスタ登っていきます



西黒尾根の分岐を曲がると…


『トマの耳』を登頂!



晴れていれば天神平もその先もバッチリ見えます!

シルキーホワイトに染まった眺望を後にしてもうひとつのピークを目指します(ここから15分)


『オキの耳』までは一本道なのでまず迷うことはありません


天気が良ければ稜線とピークがくっきり見えるはずです

これからあの雲の中に突貫します


登頂までの行程は多少狭い登山道(すれ違いが困難になるほどではありませんでした)

鎖こそないもののロープを使う岩場が1ヶ所あり混雑時は渋滞します



オキの耳の麓のガレ場にザックを置きトマの耳を撮影(ここから頂上標まで1分)

降り出していなかったのでザックを置いて行きます


ちなみに晴れていればここでお弁当を食べるのが最高でしょう!

トマの耳(前のピーク)に比べて腰を下ろせるポイントがたくさんありますがあまり広くないのでクッカーはオススメしません


混雑時の配慮も考えてお弁当が最適解です



頂上標の真下にある岩にGoProをセットして撮影…の10秒後にポツポツ…ザザー…

あっという間に本降りになりました…


記念撮影には間に合ったもののザックを放置した場所に戻る頃にはびしょ濡れに!

開けっぱなしにしていた中身も濡れていますw


もはや手遅れになったザックに気休めにもならないレインカバーを施し、そそくさと逃げるように山頂を後にしました

この先『一ノ倉岳』方面に10分進むと『富士浅間神社奥の院』があります


山は逃げない!安全に帰る!ということで今回は断念…

この後トマの耳のあたりで土砂降りになりブーツの中がずぶ濡れになるほど降りました(こういう時タイツスタイルだと逃げようがありませんね)




筆者が兼ねてよりパワープッシュしているコレ『モンベル・クラッシャブルアンブレロ』

こいつが大活躍でした


メガネっ子の筆者は雨が降るともう大変で、今まではメガネが雨で濡れると本当に煩わしくてなりませんでした

撥水効果もさることながら『顔に雨が直接かからない傘の代わり』になってくれたことで視界が確保され安全に進むことが可能に!


もう見た目通り『笠地蔵おじさん』で無事に下山しました

モンベルのクラッシャブルアンブレロが登山帽で最強すぎる件



余談:本当は寄りたかった天神山


(この写真は登りで撮影)

その後降ったり止んだりを繰り返しながら『天神山』をどうするか考えます


行きでも休んだ『熊穴沢避難小屋』から20分ほど下った分岐をさらに20分進むと登頂できます


ここに戻るまでに2度ほどすっ転んだ筆者の心はバキバキに折れてしまったようで断念(分岐に到着する頃にはとっくに答えは出ていました)

秋のリベンジ谷川岳の楽しみに残しておくことにしました


雨で原形を留めていなかったポケットの中の往復のロープウエイチケット

ギリギリ日付を確認することができたので載せてもらえました(係の人がチョットだけ引いてました)


雨の日の登山ではお財布の中で大切に補完することをオススメしますw



おまけ:水上町営の温泉施設



水上町が運営してる町営の温泉施設『湯テルメ・谷川』さん


建物を入ってすぐ男湯・女湯の暖簾が目の前にある小さな小さな温泉施設です

町営であることから

  • 大人630円
  • 子供280円


格安にも関わらず贅沢な温泉で谷川岳登山の疲れを癒すことができます


館内も清潔に管理され、何よりお風呂全てが源泉掛け流し

しかも3種類の源泉が引かれている穴場の温泉施設となっています


名物の露天風呂は大きさがかなりのもので、20人は余裕を持って楽しむことができる岩風呂

川のせせらぎがなんとも言えない素晴らしい立地で我々登山者を出迎えてくれます

※建物2階には畳敷きの休憩スペースが食事処はありません

湯テルメ・谷川
  • 営業時間10:00から20:30(7月から9月は朝9:00から)
  • 毎月第3木曜日が休館(祝日の場合は翌日に振替)
  • 毎週木曜日の15:00以降は露天風呂清掃の為使用不可
  • 駐車場40台あり(無料)



まとめ




オキの耳から振り返った時に一瞬だけ稜線を見せてくれたツンデレなトマの耳


13:00前には下山を開始した筆者でしたがその後も登ってくる方が目立ったのが印象的でした

1日経って事故の話も聞こえてこないので無事に帰られたのを信じています(私服の若者3人組がかなり心配でした)


今回初めて登った谷川岳


山頂までは気持ちよく晴れて清々しかったこと

途中からの悪天候にも関わらず楽しめたこと(帽子の快適さを実感w)

悪天候だからこそ油断せずに慎重に帰れたこと


いい思い出がたくさん出来ました


谷川岳のこのコースは初心者ハイカーさんでも焦らずに充分時間をかけて登れば安全に登れる山だと思います

ですが登りやすい日本百名山であるからこそ

  1. 可能な限り雨の日を選ばず
  2. 滑り止めグローブを着用
  3. 万が一を考えて登山保険に加入
  4. 登山届は絶対に提出


この4つだけは必ず守ってからスタートしましょう!


それではっ

ねこやまふぐお
ねこやまふぐお

ありがとうございました